Ua値で最近思う事
こんにちは。中野区の工務店、小河原建設の谷内です。
2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて各業界温室効果ガス排出量を削減するため、様々な取り組みが行われています。
住宅業界でも、 建物の断熱性能を高め、夏場・冬場の冷暖房に係るエネルギー消費量を減らす努力をしたり、太陽光パネルを設置し、発電した電気を使用できるようにする等、各社いろいろな取り組みをしています。国を挙げて取り組んできていることもあり、現在の住宅は、数10年前の建物に比べ、夏涼しく、冬暖かい住宅がだいぶ増えてきています。
弊社でもUa値0.46W/㎡K(G2グレード)を目標に住宅の設計をしています。
私も日々、温熱計算をしておりますが、計算していて最近思う事があります。
各メーカーの断熱材やサッシの性能も昔と比べて格段に性能が上がり、どの工務店やハウスメーカーも断熱性能の数値的には差がなくなってきていると感じます。しかし考えてみると、Ua値とはあくまで机上の計算で数値を出しているだけで、実際現場で、計算通りの断熱の施工がされているか?また、断熱欠損なくしっかりとした施工がされているのか?
建物の断熱性能はやはり現場力によって決まるのではないかと感じています。
良い施工をするためには、そこで働く職人さんの技量もそうですが、施工のしやすい環境が常に整えられているかが重要です。弊社は『現場きれい』を徹底し
職人さんが良品質施工できる現場を整えることで、品質を確保できるようにしています。
現場がきれいかどうかで、出来上がる建物の品質が変わってきますから、断熱性能にも少なからず影響あると思います。これから住まいづくりを考える方はそういう観点で施工会社選びをしてみるのもいいと思います。
自宅リフォームについて②
東京中野区の工務店:小河原建設 住宅事業部 佐藤です。
自宅のリフォームで気に入っているところのひとつにキッチンのパントリーがあります。
キッチンは裏導線が大事といいますが、裏導線はとれなかったので、かわりにパントリーを作りました。雑多なものを置くスペースを作ったところ、すごく使いやすいです。
はじめのプランは対面キッチンのみでシステムキッチンの後ろにカップボードをとるしかスペースがなかったのですが、建物の全体の奥行きが4間半あり、敷地の北側に高さ2m弱の擁壁があるため、奥になればなるほど暗い雰囲気になっている建物でした。もともとキッチンはそこにあったのですが、なんとなく陰気な感じでその隣にダイニングテーブルを置くスペースがあったのですが、どうにもそこでご飯を食べる気にならない。リビングもなにか間延びしていて中途半端でどこにいたらいいのかわからないような空間。どうしたものかと何パターンもプランを検討していました。
悩んだ末、対面キッチンのカップボードの裏にパントリーを設けました。パントリーを作るのにはスペースが少し足らなかったので、出窓のように壁を250くらい外に追い出し、無理やり棚収納スペースを作りました。そうすることで、キッチンもダイニングスペースも丁度よい位置関係に納まり、パントリーには雑多で引き出しにも開き収納にもいれられない中途半端なものたちを収納できる影のスペースを作ることができました。
その結果、キッチンやリビングからは見えないし、でも大容量でとても使い勝手のいい収納スペースができました。影の収納!素晴らしい°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
住宅事業部 佐藤
建築視察 猪股庭園
東京中野区の工務店:小河原建設 住宅事業部 佐藤です。
先日、設計のスタッフ全員で「いい建築を見て目を肥やす」という目的で建築視察に行きました。今回はそこで見たもの、感じたことをご紹介したいと思います。
今回見学したのは世田谷区にある猪股庭園。こちらは (財)労務行政研究所の理事長を務めた故・猪股猛氏ご夫妻の邸宅として建てられたものです。
樹木で覆われた広大な敷地(560坪)に建つ、約110坪の床面積をほこる猪股邸は、昭和初期に活躍し、文化勲章を受章した巨匠、吉田五十八の手により設計された近代数寄屋の建物です。
旧猪股邸は私たちがいつも過ごしている家よりかなりゆったりとした造りの大きな平屋建ての住宅でした。この庭は散歩するだけでなく、建物は四季折々の庭を室内から楽しむ様々なしかけのある建物でした。
玄関を入って居間の入口をくぐり、左に目をやると、最初に飛び込んでくるのが大開口から見える庭です。3間近くある開口部は建具がすべて壁の中に引込まれ、室内と庭が一体化するつくりで、雪吊りという松の木に積雪対策をしていたのですが、まずその大きさに圧倒されました。雪吊りとは雪が樹木(松の木)の枝に積もって折れないよう保護するのが役割の人工物ですが、その様子が巨大な絵を見ているようで圧巻でした。ガイドの方によるとその大開口はちょうど座った時に庭がよく見えるようになっていて、たたきや、屋根の出など計算されて作られているとのことでした。
大きな見せ場の開口の後ろには箱庭があり、その横にはご夫妻の食事をするテーブルと椅子が置かれていて、大きな庭と小さな庭もちょうどいい感じに目に入るテーブルの高さを64cmと低めに設定することで、重心を下げていて、座ってとても居心地がよかったです。天井の高さは2.79mとかなり高かったですが、居間は空間が大きいのでちょうどよく、高すぎる感じはしませんでしたし、重心を下げていたので、大きな空間だけれどもとても落ち着ける空間になっていました。
書斎は基本座っているので和室と同じように重心はかなり低めになるようにつくられており、作り付けの収納のカウンターの高さも他と同じ64cmでした。一般的にテーブルや棚は700センチかそれ以上のものが多いのですが、計算されて作られていました。
枠や建具は吉田五十八特有のディテールですべて斜めにカットされていて枠を細くシャープに見せていました。その斜めの部分に枠を合わせるというとても難しい納まり、こだわりの納まりが随所にありました。
それ以外にも細かいディテールや工夫がたくさんありました。
例えば、書斎にある掘りごたつは、通常は床の中にこたつがはまり込んでいるのすが、取り出して、設置するのに床の中から足受け回転て出てくる仕掛け。
コーナー窓の雨戸は占めてみると行き過ぎることなく、ちょうどいい位置でぴたっと止まるようになっていた。建具の後ろをみると、ちょうどいい位置のところで木製の落としが落ちるようになっている。
↑玄関の床が浮いてる。中をのぞくと金物で持ち出している。
随所に工夫や、ストーリーが考えられていて、その効果を出すためにアクロバティックなことをしているのですが、心地の良い空間をつくっており、それが気にしていなければ全く気が付かない、でもなんかいいよねと感じる。そこがとてもすごいと思いました。
また、庭園にある樹木はすべての季節で楽しめる樹木が植えられていて、すべての樹木や草や苔などが書き込まれた図巻のような造園計画の図面があり、確かに量の差はあるが、四季すべてにわたって植物が楽しめる計画になっていました。
この建物は現在は世田谷区に寄贈され無料で公開されています。
お近くへ行かれる際は是非立ち寄って見られたらいかがでしょうか。極上の空間を楽しめますよ。
住宅事業部 佐藤
壁紙について
小河原建設、住宅事業部の石田です。
おうちの中で、汚れが目立っているところはありますか?
キッチンのコンロ周りや換気扇、ドアの下の部分やサッシ廻りなど様々ですね。
中には壁紙の汚れが気になりだした!という方もいらっしゃると思います。
この壁紙(クロス)はどのようなものがあるのか、そのお手入れ方法などを
少し書かせて頂きます。
一般的にはビニル壁紙が多いのですが、こちらの特徴としまして
表面は塩化ビニル樹脂層、その下に裏打ち紙が貼られています。
ビニルなので、比較的にシミやホコリには強く、軽い汚れは水拭きや
洗剤で落とす事ができます。
この樹脂層の上に更に汚れ防止のフィルムを貼ったり、特殊配合された
表面加工により、キズに強いものがあったりとします。
そして何より色柄が豊富にあります。
見ていると楽しいのですが、選ぶのには迷ってしまいますね。
弊社は、内装材にも環境や体に良く、自然素材を使用しているものを標準仕様として取り入れております。
壁紙においては、その機能を持つ「環境素材コレクション」というものの中から選んで頂いたり
しております。
特徴は、吸放湿性・通気性に優れていて、自然素材を用いられております。
なによりビニル壁紙とは少し違った落ち着きのある色合いをもち、
ビニル独特の匂いは感じられません。
珪藻土や稲麦・マニラ麻を表層紙に漉き込んでいたり、塗り壁のような
風合いをもっているものもあります。
こちらのお手入れ方法は、ハタキをかけてホコリをとり、汚れがでたら布やタオルで拭きとってください。
ホコリは長期間放置すると、湿気や油分を吸って取りにくくなります。
そして油煙やたばこの煙は、壁紙を短時間で変色させてしまうので、室内の換気をお願いします。
これはカーテンなどのお手入れ方法にも共通することになります。
ホコリは汚れの元となります。
なるべくお部屋をきれいに保つためにも、適度な換気は必要です。
冬は換気を怠ってしまいがちですが、これから少しずつ暖かくなってきますので、
気持ちのよい季節には、ぜひ風をお部屋に取り入れてみてください!(^^)/
魅せ方
みなさん、こんにちは。
中野区工務店 小河原建設 住宅事業部 設計の松永です。
いかがお過ごしでしょうか。
突然ですが、皆さん、下の2つの外観パース、どちらが魅力的に見えるでしょうか。
先日、お客様にお渡しする資料に載せるパースを作っており、パースの見せ方について学びました。
1枚目は、視線の高さを意識して作成したもの、2枚目のパースは、視線の高さだけではなく、少し見上げている形にし、よりアップにしたものです。
2枚目の方が、実際に近くでこの家を見ているような感じがし、臨場感があるように思います。
同じものでも、見せ方により、魅力的に見えたり、そうではなくなったり、難しいですね。
みなさんに、そこでの暮らしをイメージして頂ける資料を作れるよう努めて参ります。
建ぺい率と容積率について
みなさん、こんにちは(^_-)-☆
中野区の工務店 小河原建設の池田です。
今日は住まいづくりの基本中の基本、建ぺい率と容積率について
記したいと思います。
まず建築基準法上の建ぺい率とは敷地面積に対して、上空から
見下ろした際の建物の投影面積の割合です。
1階の面積よりも2階が跳ね出している場合は2階の面積が該当します。
次に容積率とは敷地面積に対する延床面積割合となっており、2階建てなら
1階+2階の床面積の合計を敷地面積で割った数字が容積率になります。
そして各地域で建ぺい率、容積率の限度となるパーセンテージを定めて
います。
例えば30坪の土地で建ぺい率60%だと、30坪×0.6で、敷地に
対して、上空からの投影面積が18坪までに規制されます。
そして容積率が150%だと1階、2階、あるいは3階の全ての面積が
30坪×1.5=45坪までは建てられるということになります。
このように建物の大きさについて規制があるなかでも、例外があります。
例えばロフトや小屋裏収納など、天井高が1.4m以下なら床面積に
含める必要がありません。
2階のリビングや2階のお部屋にロフトを作ると、勾配天井になり、
天井高が高くとれて解放感がある演出できたりします。
また緩和処置もあり、角地や防火建築にすると建ぺい率が10%緩和など
地域によっていろいろあります。
また高度斜線によって、建てられる高さの規制もあります。
お建替えや土地のご相談も是非、小河原建設へご相談ください。
継手
みなさん、こんにちは。
中野区工務店 小河原建設 住宅事業部 設計の松永です。
いかがお過ごしでしょうか。
突然ですが、みなさん、鉄筋にご興味はありますか。
先日、鉄筋の勉強をしていたところ、日本で一番長い鉄筋の規格は、12mだと知りました。
12mの鉄筋、運ぶのも施工するのも大変そうですよね。
巨大な建築物、橋やダムなどで使用するのでしょうか…
住宅では、主に鉄筋は、基礎に使われています。
基礎の鉄筋を組む際、上記のように長い鉄筋を使うと、大変ですので、短い鉄筋を継いで使います。鉄筋を継ぐ箇所を「継手」と言いますが(下図参照)、この部分は、力がきちんと伝達されるよう、十分な長さを確保する必要があります。
弊社では、 40×鉄筋の直径 以上確保し、施工を行っております。
私は、以前、品質管理を行っていた時期があり、その際は、鉄筋の継手の長さもチェックをしておりました。現在は、現場担当者が確認をしております。
最近は、設計に移り、デスクワークが多いですが、現場で、学んだこと、思い出しながら、日々成長できるよう、頑張りたいと思います。
土佐和紙
小河原建設 住宅事業部の石田です。
今回の「暮らしのコラム」では、土佐和紙のご紹介をさせて頂きます。
土佐和紙とは和紙の壁紙でして、伝統的な紙漉き技術で製造され、自然素材を原料としております。
紙ならではの独特の風合いを楽しむことができます。
歴史も古く、「土佐和紙の黄金期」は江戸末期というお話しもあります。
又、住まいにとって次のようなメリットがあります。
1.調湿効果がある…湿気を吸放出する作用があります。夏は涼しく、冬は暖かく感じられます。
2.調光、吸音効果がある…光と音を分散・乱反射させるので、光や耳障りを柔らかく感じ取ることができます。
3.有害物質ゼロ…自然の植物を原料としているので、身体に害がありません。
4.リフォームしやすい…剥がすことなく、そのまま重ね張りができ、厚みも2倍になることで調湿性、保温性も高くなります。
なかなか魅力的な特徴ですね。
原料の自然素材が気になります。主な素材をご紹介いたします。
まず 楮(こうぞ クワ科)です。 繊維が長くて太く、丈夫な紙ができます。
次に 三椏(みつまた ジンチョウゲ科)。繊維が細く艶があり、滑らかで光沢があります。
西陣織の金糸、銀糸や一万円札にも使われているそうです。
そして 雁皮(がんぴ ジンチョウゲ科)。繊維が最も細く粘りがあり、栽培が難しく、
山地で自生しているものを使用しているそうです。
最後にケナフ(アオイ科)。二酸化炭素を大量に吸収するので、環境改善作物として注目されております。
このような植物が原料の壁紙に包まれると、心にも身体にも良さそうな感じがします。
こちらの壁紙は、調湿性や収縮性が高いことから約1~2cmの重ね貼りを基本としております。
お手入れ方法としては、塗れた布で軽く叩くようにして一度汚れを浮かし、時間をおいた後、
乾いた布で拭きとります。
時間がたつほどに風合いが良くなります。それはいろいろなものを吸収することから起こるそうです。
ゆっくりと変化していく工程を楽しむのも面白いですね!
弊社のモデルハウスにも、この和紙を採用しております。ぜひ見にいらして下さい(^^♪
木造と防火
こんにちは。中野区の工務店、小河原建設の谷内です。
今回は都市部で求められる木造の防耐火性能についてお話したいと思います。
都市部では大規模な建築物や、不特定多数の人が利用する建築物が多くみられます。
火災が発生してしまうと、人命への危険性や、周辺へ被害が広がる可能性が高くなります。
万が一、火災が起こった際、十分な避難・救助時間を確保するため、市街地(都市部)では建物に火災を抑制する構造が求められます。
- 耐火建築物
主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)が耐火構造であるもの、または耐火性能検証法等により火災が終了するまで耐えることが確認されたもので、外壁の開口部で延焼の恐れのある部分に防火設備を有する建築物の事
→火災中・火災後も消防活動によらず倒壊しない性能
- 準耐火建築物
主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)が準耐火構造、またはそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼の恐れのある部分に防火設備を有する建築物の事
→火災中は消防活動によらず倒壊しない性能
築基準法では、『地域、規模、用途』に応じて防・耐火の規定が定められていますので、
その規定に合わせて火災で倒れない木造建築が建てられるようになりました。私たちが生活する東京でもこれから住宅以外のさまざまな木造建築を目にする機会が増えてくると思います。
以上、住宅事業部 谷内でした。
自宅リフォームについて①
東京中野区の工務店:小河原建設 住宅事業部 佐藤です。
我が家は最近リフォームをしたのですが、うまくいったと思った場所のひとつに洗面所があります。
よくある洗面所のレイアウトはお風呂の隣に1間角のスペースがあり、洗面化粧台があって、その隣に洗濯機を置いてというのが定番ですが、洗濯機を見えるところに置きたくなかったので、洗濯機と洗面所を分けることにしました。そして洗面所の先にトイレを設けたのですが、リフォームの制約もあって、洗面所に窓をとることができませんでした。
今まで住んでいたマンションも洗面所に窓がなかったので、気にならないかなとも思ったのですが、思い切ってトイレとの間の間仕切り壁に室内窓を設けました。
トイレに窓?と思われると思いますが、私の大好きな住宅作家の方がやっていたので、さっそく真似してみました(笑)
やってみるとトイレを通して採光をとれるようになり、照明を付けなくても昼間なら洗面所がつかえるようになりました。
トイレに入っている影がうつるのが嫌なので、便器に座って頭の影が見えない高さで開口部の下端を設定しました。
窓をつけたことで本当なら無窓室で照明をつけなければ入れないはずの洗面所に採光が取ることができ、昼間なら電気をつけなくても洗面所が使えるようになりました。
間仕切りガラスは型ガラスにしたので、オープン棚の上の物がなんとなく透けているので、今度すりガラスフィルムを貼ろうかなと計画中です。
住宅事業 佐藤