西参道公衆トイレ
こんにちは。中野区工務店 小河原建設 住宅事業部 設計の松永です。
いかがお過ごしでしょうか。
みなさん、渋谷区の公衆トイレをお使いになったことはありますか。
渋谷区では、建築家やデザイナーが公共トイレを手がけるプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を実施し、昨年3月末までに、17カ所のトイレが設置されました。
そもそも、なぜ、このプロジェクトが行われたかといえば、トイレは、日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴ですが、公衆トイレは汚い、臭い、暗い、怖いといったネガティブなイメージがあり、利用者が限られています。そこで、誰もが性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できるトイレを作ろうということで、この企画が始まりました。
先日、このプロジェクトで建てられたトイレの一つを見てきましたので、ご紹介させて頂きます。
訪れたのは、「西参道公衆トイレ」代々木にあるトイレです。建築家の藤本壮介さんがデザインされました。
道路にポツンと公衆トイレがありました。夜に行きましたので、中から、あたたかい光がこぼれています。
手前の壁が低くなっている部分には、蛇口が設けられており、中央部に向かい、水が流れます。個室の中でも、手が洗えるようになっていましたので、どこまで利用する方がいらっしゃるか、分かりませんが、コミュニケーションが生まれそうな場でした。
少しわかりづらいかもしれませんが、トイレは写真のような配置になっています。手前側から、多目的トイレ、女性トイレ、男性トイレと並びます。
外観もそうですが、トイレの個室の壁も角が無く、曲面になっています。天井は間接照明で、女子トイレの鏡は丸型のものでした。角張っている部分が少ないせいか、優しい印象のトイレでした。
藤本壮介さんは、有名な建築家ですが、私はまだあまり作品に触れたことがありません。他の作品も見てみたいと思いました。
彼は、建物の内と外をはっきりとさせる壁や天井といった建築の基本的な要素を曖昧にすることで、自然と構造物がナチュラルにつながる「森」のような建築をつくりたいと言っています。
このトイレでも、その要素を感じられたような気がしました。
ご紹介したトイレ、代々木 3-27-1 にございます。
よろしければ、近くを通られた際、お使いになってみて下さい。