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2023.11.19
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2311 冬は暖かい住まいで

11月に入り2023年もあと二ヶ月足らず。今月末頃から忘年会なども始まり、いよいよ今年もカウントダウン。気がつけばお正月なんてことになりそうですが、皆様お元気のことと拝察いたします。

 今月の初旬は季節はずれの暖かさでしたが、これからは寒さが身にしみる冬に入ります。日本の家は寒いというのが通説でしたが、最近は省エネ住宅の普及が進み、家の断熱・気密性能の向上とともに暖かい家が増えてきています。寒さ厳しくなる折、今号では暖かい住まいについて考えてみたいと思います。

―採暖の快適さは短い―
 温帯地域に属する日本は気候が良く四季折々が楽しめる国ですが、夏は暑く、冬も冷え込みが厳しい。よって昔から冬は囲炉裏やストーブで火を焚いて暖を採る「採暖」が永らく行われてきました。

寒い時に採暖で手のひらや体の一部を加熱して得られる暖かさは一種の快感であり、寒暖の感覚の変化によってもたらされます。ですが、ストーブの前に長くいると暖かさを通り越して徐々に暑く感じはじめ、結局は不快に感じてきます。
 つまり、採暖で得られる快感は、寒いから暖かいへ感覚が変化する、その短い時間だけのもので、暖房による「快適」とは大きく異なります。欲しいのは長く感じられる快適さです。

―長く快適なのが暖房―
 快適さを実現するにはいくつかの条件がありますが、大切なのは体温を維持する代謝熱と寒さによる体表面からの放熱が釣り合っていることです。
 この「代謝熱量」と「放熱量」のバランスが重要で、冬に寒くなると体表面からの放熱量が増加し、代謝熱量<放熱量の状態になります。 このままでは体が冷えてしまうので、体は血流を絞って皮膚の表面温度を下げ、放熱量を減らします。
 これによって寒いという感覚が生じます。この時、代謝熱量と放熱量のバランスを取り戻すには、体を動かして代謝を増やす、重ね着をして放熱量を減らす、などの方法がありますが、ここで暖房の登場です。
 暖房により室内温度を高くすることで、体表面からの放熱量が減少し、寒さを感じなくなりリラックスした状態を維持出来ます。暖房とは室内空気を温かくして快適さを確保すること、と言えます。

―暖房の前に建物の高断熱・高気密化―
 ストーブやヒーターなどの採暖機器で、一時の快適は得られますが、部分的に熱くなったり、うっかり火傷をしてしまうなども考えられますので、やはり採暖よりも暖房がベターといえます。
 では単にエアコンなどの「暖房設備」を設置すれば良いのかというとそうでもない。
 エアコンの温風は上昇するので室内の天井面と床面で温度差ができ「頭寒足熱」の状態になってしまいます。この温度差は暖房器具だけでは解決しません。
建物の気密と断熱が大事なのです。 気密により、暖気の漏れと冷気の侵入を防ぎ、断熱により暖房に必要な熱が減るので、エアコンも省エネ運転が出来ます。
 まずは建物の高断熱・高気密化を図り、そのうえで暖房することにより、快適な温熱環境をつくることができるのです。

 昨今は電気代の大幅な値上がりなどもあり、節電という面からも建物の省エネ性能に対する関心は一層高まってきています。
冬暖かい家は、夏涼しい家でもあります。
少ない電気で「夏涼しく、冬暖かい」省エネ住宅は、これからの住宅の標準となっていくと言えます。

 最後になりますが、弊社では今月から新たな事業年度(55期)が始まっております。
諸物価の値上がりや環境問題への対応、デジタル技術の急速な発展など、大変な時代ですが、皆さまのお役に立つべく社員一同建物づくりに励んで参りますので、今期もよろしくお願いいたします。 感謝

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