2022.11.21
staff
イクラはロシア語
こんにちは 住宅事業部の木内です。
朝晩は肌寒いですが日中は比較的過ごしやすく快適な日が続いていますね
気を抜くとあっという間に年末が訪れてしまいそうです。
先日近場で出かけるのに面白そうなところはないかと調べ訪れたのが新宿にある林芙美子記念館です。
ここは「浮雲」や「放浪記」の作家である林芙美子の自宅をそのまま記念館として見せている施設です。
林芙美子は極貧の幼少期を経て作家として成功を収めた後、
自身の夢であった家を建てるということに並々ならない情熱を注ぎこの家を構えたようです。
200冊以上の参考文献を読み、設計者である山口文象や大工を引き連れ
京都の民家を見学に行ったりと逸話の数々からもその情熱が伺えます。
また当時は世の中が戦争に向かって動き出している時期であったこともあり、
贅沢が禁じられ大きな家を建てることができなかったそうなのですが、
画家である夫のアトリエと自身の家の2棟ということにしてはぐらかしたそうです。
特徴的なプランはこのような背景に起因しているのですね。
一見するとさりげない建築ではありますが、来客の多さや、編集者を待たせるのに対応した広い玄関、
庭に開けた茶の間、雪見障子をあしらった書斎、広く作られた縁側や繊細な面持ちの濡れ縁、
細かく配置された押入れなど、日本の民家の様々な様式を取り入れつつ、どこかオリジナリティがあり、
この場所での営みを想像させるこの空間は林芙美子のこだわりをひしひしと感じることができました。
お庭も華美ではないが美しい出立ちで四季折々の花が咲くらしいです。
また季節を越えて訪れてみようと思いました。