住まいの価値の見直し
1年以上に及ぶコロナ禍による社会や暮らしの様々な変化は、モノ的なことだけでは留まっていません。もっと、根本的な住まいの価値の見直しを迫っているとも言えます。テレワークにより、家族が家にいる時間が増え、家族仲が良くなったとか悪くなったとか、悲喜こもごものドラマが生まれ、結果、皆が家や家族の意味や価値を改めて問い直すようになってきています。
「住宅すごろく」という言葉がありました。振り出しは都会のアパート暮らし、次に、結婚して賃貸マンションを経て分譲マンション購入。そして、マンションを転売して郊外に庭付き一戸建て住宅を手にしたところで、上がり。と、いうのが昭和の時代に於ける住宅の一般的な消費者動向であり、30代40代の一次取得者層が中心でした。
平成の時代に入ると80代の親を持つ、50代後半から60代の二次取得者層の動きが多くなり、一戸建てを手にした後も建替えたり転居したりとすごろくは続き、上がり(最後)は介護施設に入所、というように消費者動向は変わってきてはいるが、住まいの価値としては駅から何分・土地は何坪・何LDKと資産としての価値ばかりに目がいっているように思います。このような流れの中でのコロナ禍であり、住まいの価値観がどのように見直されていくのか、大いに関心を持っているところです。
私が見直されて欲しいと思うのは、資産価値より、満足出来る家に長く住むことによって得られる情緒的価値です。何十年と長く住むことによって積み重ねられていく家族の思い出は、時間の経過と共にかけがえのないものになっていきます。
資産価値も勿論、高いに越したことはないが、それは家を売却する時しか生まれず、多くの人は相続の時まで家を売りません。
高齢化により、誰もが長生き出来る時代になり、家にいる時間も更に増えていくでしょう。長い老後を思い出の詰まった住まいで穏やかに過ごすことは、経済的合理性以上の価値があります。
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